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消防設備士乙4とはどんな資格?難度やおすすめの勉強法も紹介

2022.06.16

火災警報器やスプリンクラー、消火栓などの消防設備は、設置だけでなく定期的な点検をしなければなりません。
消防設備士は、あらゆる消防設備の工事や点検が行える資格ですが、施工する設備や作業内容ごとに資格が細分化されています。

ここでは、消防設備の工事点検を扱える「消防設備士乙4」について、資格取得のメリットや試験の難易度、合格率などを紹介していきます。

消防設備士乙4とはどんな資格?難度やおすすめの勉強法も紹介

消防設備士乙4の資格について

消防設備士乙4は、火災報知器の点検設備ができる資格です。
消防設備士は「乙種」と「甲種」の2種に前提分類されており、乙種の場合は点検と整備を行うことができます。

甲種は、点検整備に加え工事もできるので、消防設備士乙4では火災報知器の設置工事はできません。

しかし、火災報知器だけでもたくさんの種類があります。

 

・自動火災報知設備
・ガス漏れ火災警報設備
・共同住宅用自動火災報知設備
・特定小規模施設用自動火災報知設備
・複合型居住施設用自動火災報知設備

 

このように、「火災報知器」とつくものはすべて点検整備ができるので、メンテナンスだけでもかなりの需要がある資格となっています。

消防設備士乙4の資格を取得するメリット

火災報知器の点検設備しかできないのでは、資格を取っても意味がないと思う方もいるかもしれませんが、意外にもメリットがあるのでチェックしておきましょう。

スキルアップが目指せる

ビルメンテナンス業にはさまざまな業務内容がありますが、その一つに「警備・防災業務」があります。
建物や人の安全を守る警備業務は、不審者の侵入を防ぐ、夜間の見回り、防災や防火の管理体制チェックなどが仕事ですが、資格を持っていなければ警備業務しかできません。

乙4の資格があれば、消防設備の作動を点検する業務もできるので、「スキルアップを目指せる」というメリットがあります。

収入アップが目指せる

消防設備の管理は、消防法に基づいて点検や維持管理を行います。
何の知識もない人が点検するわけにはいかないので、ビルメンテナンス会社では必ず乙4の資格を持っている人を雇用しています。

 

特に「自動火災報知器」は、火事による被害拡大を防ぐための重要な設備なので、乙4の資格取得者の需要も高く、資格手当をつけているのが一般的です。
そのため、収入アップが目指せるというのもメリットです。

転職や就職が有利になる

ビルメンテナンス業界を目指しているのであれば、転職や就職が有利になるというメリットがあります。
前述していますが、ビルメンテナンス業では乙4などの資格保持者の需要が高いので、雇用条件なども優遇してもらえるかもしれません。

消防設備士乙4の合格率や難易度はどれぐらい?

資格取得を目指す場合、まずは合格率や難易度を知っておく必要があります。
難易度が高い資格であれば、当然ですがそのための試験対策をしなければなりません。

まずは、直近の合格率をみていきましょう。

乙4の合格率
年度 申請者 受験者 合格者 合格率
令和2年度 5,319人 4,269人 1,527人 35.8%
令和3年度 6,820人 5,198人 1,853人 35.6%

令和2年、3年ともに合格率は約35%となっています。
つまり約3割しか合格できていないので、高難易とまではいかないとしても、しっかり勉強しなければ合格は難しいのが実情です。

しかし、逆に考えれば3割の人が合格しており、筆記試験は条件がクリアできれば免除される科目もあるので、やる気さえあれば資格取得も無理ではありません。

消防設備士乙4の試験概要

消防設備士乙4では筆記試験と実技試験があり、筆記はマークシート方式、実技は記述方式となります。筆記試験は各科目40%以上、全体で60%以上、実技試験は60%以上が合格基準となっています。

試験科目は以下に表記するので、勉強を始める際の参考にしてみてください。

筆記試験

試験科目 項目
基礎的知識 電気に関する部分
消防関係法令 共通部分

第4類に関する部分

構造・機能・工事・整備 電気に関する部分

規格に関する部分

実技試験

試験科目
鑑別等

条件によっては科目が免除される

下記の免状を持っている場合は、試験科目が免除されます。

所持免状 免除科目
乙種第1~6類もしくは甲種第1~5類 ・消防関係法令の共通部分
乙種第7類 ・消防関係法令の共通部分

・基礎的知識の電気に関する部分

消防設備士乙4資格取得のためのおすすめ勉強法

乙4資格取得のためのおすすめの勉強法は、暗記できるぐらいテキストを繰り返して解いていくという方法です。

乙4の試験では、実技が「鑑別」だけなので、筆記試験対策をするのがベストです。すべての科目をまんべんなくこなすには、テキストを読み込んで出題傾向や形式を理解しておくことがポイントとなるので、何回でも繰り返し解いていきましょう。

消防設備士乙4の資格を取ってキャリアアップしよう

消防設備士乙4は、消防設備士の資格の中でも上位にあたるため、資格を取得することで仕事の幅が広がるのはもちろん、転職や就職も有利になります。

試験の難易度はけっして低いと言えないので、ハードルが高いイメージがあるかもしれません。

しかし、現場で働きながら知識を学んでいけば、たとえゆっくりであっても着実に合格を目指すことが可能です。

協立工業では、スキルを身に付けてキャリアップできる環境を整えているので、興味がある方はぜひお問い合わせください。

 

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