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空調設備にはどんな種類がある?目的・流体・方式による違いを解説

2022.04.21

空調設備は、ビルや商業施設、工場などさまざまな場所で用いられています。
温度や湿度などを調節して人が快適に過ごせる環境を作るのが空調設備の役割です。
一言で空調設備といっても、その種類は多岐にわたります。
ここでは、空調設備とは何かを説明するとともに、目的や流体・方式による種類をそれぞれ解説していきます。

 
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空調設備にはどんな種類がある?目的・流体・方式による違いを解説

空調設備とは?どんな機器がある?

そもそも、空調設備とはどのような設備のことをいうのでしょうか。
空調設備は正式には空気調和設備と呼ばれます。
調和には空気の温度や湿度、気流、清浄などを目的に応じて調節するという意味があります。
すなわち、空調設備とは文字通り「空気を調和させる」ための設備のことです。
エアコンは主に温度調整の役割を持ちます。
一方、空調設備は外気を取り入れることで温度以外の空気調和を行うことができます。
空調設備は主に3つに分けられます。

熱源装置

加熱・冷却した空気を作ったり捨てたりする機器(ボイラー、冷凍機)

熱搬送設備

作った熱を移動させる設備(配管、ポンプ、ダクト、送風機)

空気調和設備

空気の加熱、冷却、浄化、加湿、除湿などを行う設備(加湿器、除湿器、コイル)
3つの装置が組み合わさることで、空気調和システムが出来上がっています。

空調設備の種類~目的による2つの設備~

空調設備は対象とする目的によって大きく2種類に分けられています。

保健用空調(対人空調)

オフィスビルや商業施設、ホテル、学校、病院などの一般的な建物の空調のことです。
建物の中で働いたり生活をしたりする人の健康や快適性を維持することを目的とします。
保健用空調においては、特定建築物(延べ面積が3,000平方メートル以上の建築物で、事務所や店舗など特定の用途に使用されるもの)の場合、ビル衛生管理法の建築物環境衛生管理基準に基づき、空気基準を満たす必要があります。
空気基準の項目には、浮遊粉塵の量や二酸化炭素の含有率、温度、相対湿度、気流、ホルムアルデヒドの量があります。

参照:厚生労働省「建築物衛生のページ」
参照:厚生労働省「建築物環境衛生管理基準について」

産業用空調(プロセス空調)

工場や貯蔵庫、農園施設での機械の機能維持や保管物の品質管理、データセンターのコンピュータ機能維持などを目的とした空調のことです。
働く人の労働環境の維持も目的に含まれます。
産業用空調は、物品の製造や加工、検査の過程において重要な役割を持ちます。

 

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空調設備の種類~流体による4つの方式~

空気の過熱や冷却を行う流体として何を使用するかによって、空調設備は4種類に分けられています。

全空気方式

空気を使って熱を移動させる空調設備です。
室内の空気と外気とを混ぜ合わせ、ダクトを介して室内に空気を供給します。
温度調節と同時に換気も行えるのがメリットです。
天井裏にダクトスペースが必要なことから、体育館やホールなどの大空間に適しています。

冷媒方式

冷媒を使用して空気の加熱や冷却を行う空調設備です。
ルームエアコンや業務エアコン、冷蔵庫にも用いられているため聞き馴染みのある方式ではないでしょうか。
外気を取り込み、冷媒で熱を運ぶことにより室内に温風や冷風を送風します。

全水方式

冷水や温水などの水を使って熱を移動させる空調設備です。
空気を使用しないためダクトスペースが必要ないのがメリットといえます。
室内の空気を浄化するために、換気設備を別途設置しなければなりません。
また、室内に水の通った管を設置することから、水損事故を起こしてしまう可能性も。

空気・水併用方式

空気と水を利用して熱を移動させる空調設備です。
全空気方式と同じく、外気の取り入れにダクトを必要としますが省スペース化が可能です。
温度調節には水を利用し、熱交換器に取り込んで冷却や過熱を行います。
全水方式と同様に水損事故のリスクがあります。

空調設備の種類~送風の違いによる2つの方式~

空調設備をどのように設置するか、また室内にどんな方法で送風するかによっても、2種類に分けることができます。

中央空調方式

中央機械室または管理室に熱源機器を集中的に設置する方式です。
空調機や冷凍機、冷却塔、ボイラーなどで構成されています。
中央空調方式は、送風方式によりさらに2種類に細分化できます。

単一ダクト定風量方式

1本のダクトを用いて、建物内の部屋の空気をすべて同じように制御する方式です。
一定風量、一定温湿度の空気が送風されるため、部屋ごとに調整することはできません。
保守点検が容易な点がメリットですが、部屋の環境(人数や日当たり)によって温度にムラができる可能性があります。

単一ダクト変風量方式

1本のダクトを用いて送風する点は定風量方式と同じですが、送風量を変えられる点が異なります。
部屋ごとの温度調節をきめ細かく行えて、省エネ効果も期待できます。
ただし、風量を減らすと換気不足になる可能性があるので注意が必要です。

個別空調方式

各部屋に小型の空調設備を設置し、各々で電源の入り切りや温度調節を行う方式です。
室内機と室外機から成るエアコンのような構成をしており、熱源装置と空気調和設備が接続(あるいは一体化)されています。
フロアごとやゾーンごとに熱源が設置されており、主に中小規模の建物に導入されています。

まとめ

空調設備とは何か、どのような種類があるのかを解説しました。
人が快適に過ごすのに欠かせない空調設備は精密機器の一種ですので、設置してからも点検やメンテナンスをしなければなりません。
空調設備の仕事は誰にでもできるわけではなく、専門知識や実務経験を必要とします。
協立工業では、給排水衛生設備工事を中心とした配管工事を実施しています。
空調設備や配管に関する仕事に興味がある人は、ぜひお問い合わせください。

 
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