お役立ちコラム
給排水設備工事のいろはについて!工事内容やタイミングを解説
あなたは「給排水設備工事」のことを詳しく知っていますか。
配管工事の一種ですから、配管工の仕事をしたことがない人には聞きなじみのない言葉かもしれません。
しかしながら、給排水設備はライフラインとも呼ばれるように、私たちが生活する上で必要不可欠なものです。
給排水設備は水を使うための設備ですから、ガスや電気と同じくらい大切な設備なのです。
今回は、給排水設備とは何かを解説するとともに、給排水工事の内容やタイミングについて説明します。
Table of Contents
給排水設備とは何?設備の内訳や役割を網羅しておこう
給排水設備工事について説明する前に、給排水設備とはどのような設備なのかを知っておきましょう。
きれいな水(上水)と汚い水(下水)を分け、人の健康を守ることが給排水設備全体の役割です。
給排水設備には大きく分けて「給水設備」と「排水設備」の2種類があり、それぞれ違う役割を持ちます。
そこで、まずは給排水設備の内訳やそれぞれの役割を解説していきます。
給水設備
給水設備とは、上水道から水を建物内に供給する設備のことです。
上水は湖や地下水などの水源から取水し浄化された「きれいな水」で、人間が生きるために必要不可欠な飲料水です。
給水設備には主に以下の設備があります。
給水管
道路の下にある配水管(上水道管)から水道水を建物内へ引き込むための配管です。
戸建て住宅の場合、配水管から給水管へ水が流れ、さらに蛇口やシャワーなどの給水用具を通して給水されるのが一般的です。
硬質塩化ビニルやステンレス鋼など、腐食や錆が起きにくい素材でできています。
貯水槽
上水道から引き込んだ水を貯めておくためのタンクです。
主にマンションやビルなど規模の大きな建物に設置されます。
マンション全体で1日に使用する水の40~60%を貯めておくことができます。
貯水槽には建物の低い場所に設置される「受水槽」と高層階・屋上に設置される「高置水槽」の2種類があります。
FRP(強化プラスチック)製あるいはステンレス製のものが多いです。
給水ポンプ
建物の広範囲に水を供給するため、圧力をかけて水を引き込むためのポンプです。
給水ポンプには3種類あります。
加圧ポンプ
受水槽から各戸に給水するためのポンプで、主に中小規模のマンションで用いられる。
揚水ポンプ
受水槽から高置水槽まで水を汲み上げるためのポンプで、主に大規模マンションで用いられる。
増圧ポンプ
水道管から引き込んだ水に圧力をかけて各戸に給水するためのポンプで、主に中規模マンションで用いられる。
給湯設備
高温のお湯を給水するための設備で、湯沸かし器や給湯専用ボイラー、循環ポンプなどが挙げられます。熱膨張に耐えられる素材でできています。
排水設備
排水設備とは、トイレを流す時に使われる「汚水」とキッチンや洗面所、お風呂、洗濯などで使用する「雑排水」の2つを下水道に流すための設備です。
屋外の雨水を排水するためにも利用されます。
排水設備には主に以下の設備があります。
排水管
排水管とは、汚水や雑排水を下水道に送るための配管です。
腐食を防ぐため硬質塩化ビニル管(DVLP)や耐火被覆二層管(FDP)、鋳鉄管(CIP)が用いられます。
排水管は流す水の種類によって「汚水排水管」「雑排水管」「雨水排水管」の3種類に分かれます。
通気管
排水が滞らないよう、排水管内の空気圧を調整したり換気したりする役割を持ちます。
排水槽・排水ポンプ
建物の構造上、排水が下水道管に流れにくい場合に用いられます。
排水を一旦排水槽に貯め、排水ポンプで下水道に送りこみます。
排水層には「汚水槽」と「雑排水槽」の2種類があります。
浄化槽
汚水や雑排水を微生物の働きによりきれいにして放流するための設備です。
汚水専用の「単独処理浄化槽」と汚水、雑排水を同時に浄化する「合併処理浄化槽」の2種類があります。
給排水設備工事とは?工事の内容について
給排水設備工事とは、上の項で説明した給排水設備を新たに設置する、あるいは交換を行う工事のことです。
戸建てやマンションなどを新築する際には必ず必要となります。
また、給排水設備は老朽化が進むと、生活に大きな支障をきたすため、不具合が生じる前に交換をしなければなりません。
ここでは、給排水設備工事である「上水道工事」と「下水道工事」について解説します。
上水道工事
蛇口などからきれいな水を供給するための工事です。
水道管引込工事
道路の下にある配水管から建物の敷地内に水道管を引き込むための工事です。
各戸の水道メーターの設置まで行います。
建物の新築で水道管を新設する場合や、給水管の直径を大きくする場合などさまざまなケースがあります。
室内配管工事
水道メーターからキッチン、お風呂、トイレ、洗面所、給湯器などの設備に配管を接続する工事です。
水道管を新設する場合や、水回りの設備を設置したり位置を変更したりする時に行います。
修繕工事
「水道管からの水漏れが起きる」「蛇口の水が止まらない」「水質異常がある」などのトラブルを改善するための工事です。
※いずれも自治体の指定を受けた事業者にしか行うことができません。
下水道工事
トイレからの汚水や生活雑排水を下水処理場に送るための工事です。
屋内排水管工事
建物からの汚水や生活雑排水を敷地外に排水するための配管を設置します。
配管を床に通す「床排水方式」と配管を壁に通す「壁排水方式」の2種類があります。
床排水方式はメンテナンスしやすいというメリットが、壁排水方式は見た目がすっきりするというメリットがあります。
屋外排水管工事
建物の外から下水道処理場に排水するための配管を設置します。
屋外排水管には「汚水排水管」「雑排水管」「雨水排水管」の3種類があります。
排水方式は以下の2通りです。
分流式
汚水は下水処理施設へ流し、雨水は川などに放流する方式で、それぞれ2つの配水管を設置します。
合流式
汚水と雨水を1つの排水管で下水処理施設に送る方式で、分流式より安価に設置できます。
しかしながら、汚水が川などに放流されることによる水質汚濁のリスクが高まります。
給排水設備工事や点検のタイミングはいつ?
給排水設備工事を行うタイミングは、「水の色に異常がある時」と考えてください。
例えば、給水管の内部に腐食や錆が起きている場合、水の色が赤っぽくなります。
蛇口をひねると常に赤い水が出るという場合は、早急に給排水設備工事を行いましょう。
「蛇口から水が出ない」「排水が流れない」などの不具合が生じた時は、給排水管が破損している可能性があるため、業者に相談してください。
延べ面積が3000平方メートル以上の特定建築物においては、建築基準法第12条の点検報告制度に基づき、有資格者による点検を受ける義務があります。
半年~1年ごとに給排水設備の点検を行い、特定行政庁に結果の報告をしなければなりません。
給排水設備の法定耐用年数は15年です。
これを目安に、点検やリフォームなどを検討するのが望ましいでしょう。
まとめ
今回は給排水設備工事のいろはをご説明いたしました。
給排水設備工事は人々の生活に必要なライフラインを正常に動かすための重要な工事です。
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