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配管と排管は何が違う?両者の特徴と違いについてわかりやすく解説!

2023.10.24

「配管」と「排管」は同じ発音ですが、建物に入ってくる「配管」と建物から出ていく「排管」は課せられている役割が大きく違います。

水道水を取り入れるための給水管は「配管」の一種であり、生活排水を下水に流すのは排水管の役割です。

 

その違いを知るには、配管と排管の特徴を知っておかなければなりません。

本記事では配管がどのようなものなのか、排管にはどのような役割があるのかを整理し、配管と排管の違いについてまとめます。

配管と排管は何が違う?両者の特徴と違いについてわかりやすく解説!

配管とは?

配管は気体や液体などの状態になっているものを運ぶための管を敷設することですが、管そのものを配管とよぶこともあります。

配管はいろいろな場所で使用されています。

 

大きなところでは石油や天然ガスのパイプライン、上下水道施設、都市ガスのガス管、建築物の中で液体や気体を運ぶ管、工業用プラント内の管などが代表的です。

家庭内であればガス管や水道管が配管の代表といえます。

配管の種類

配管は運ぶものによって以下の3つに分類されます。

 

・液体配管
・気体配管
・粉体配管

 

私たちが最もイメージしやすいのは液体配管です。

なぜなら、水道管という形で比較的目にしている配管だからです。

液体配管は空気が貯まってしまうと流れが悪くなるため、空気を抜く弁が取り付けられています。

 

ガス管などは気体配管といいます。

ガス以外ではエアコンの室内機と室外機をつなぐ冷媒配管が身近なものといえるでしょう。

あまり目にしないのが粉状配管で、小麦などを運ぶときに使用します。

配管の材質

配管はどのような素材で作られているのでしょうか。

代表的な素材は金属と合成樹脂です。

金属配管には鋼やアルミニウム、ステンレス、銅などがあり、これらをすべてまとめて金属管と呼んでいます。

合成樹脂の代表はポリ塩化ビニル管とポリエチレン管です。

排管とは?

排管は建物から外に出ていく管のことです。

建物に入る管は色々な種類がありますが、排管は、ほぼ「排水管」と同義と考えて差し支えありません。

基本的に排水管は家庭内の設備(トイレ・お風呂・洗面所・キッチンなど)から排出される雑排水や汚水、降雨時の雨水を下水処理場に送るための管です。

排水管の役割

排水管を流れる液体は以下の3つに大別できます。

 

・汚水
・雑排水
・雨水

 

汚水は家庭や事業所、工場などから排出される汚れて濁った水のことです。

家庭からの排出に限れば、水洗トイレから排出される汚物を含んだ水のことをさします。

雑排水は汚水以外の排水のことで、台所や洗濯、入浴の際に排出される水のことです。

 

汚水と雑排水を合わせて生活排水と呼ぶこともあります。

雨水や雪解け水はひとまとめに「雨水(うすい)」とされ、雨水管を伝って川や海に流されます。

この雨水管も排水管の一種といえるでしょう。

排水管ならではの特徴

排水管の中には「排水トラップ」が設置されています。

排水トラップとは、排水管の途中に設置されている「たまり水(封水)」のことです。

よくテレビCMに登場するのがS字トラップです。

 

Sの字を横にしたような管の形をしていて、管が下がった部分に水がたまる仕組みです。

排水トラップが機能していないとどのようなことがおこるのでしょうか。

代表的な被害は以下のとおりです。

 

・悪臭が上がってくる
・害虫がわく
・ネズミなどの害獣が侵入する

 

自宅のトイレや下水管から悪臭がする場合、排水トラップが機能していない可能性があるので点検したほうがよいでしょう。

主なトラブル

排水管のトラブルの代表は悪臭や詰まり、サビなどです。

こうしたトラブルの原因となるのが排水管の劣化です。

排水管の寿命はおよそ40年程度とされています。

経年劣化したパイプは正しく施工されたとしても損傷しやすくなります。

 

汚れを放置するとさらに劣化が進み、床下でパイプが外れるなどして住宅の床を腐らせてしまうかもしれません。

パイプが劣化すると、臭いや害虫・害獣以外の問題も発生します。

パイプの劣化を遅らせるには日頃の定期的なメンテナンスが大切です。

水に溶けにくいものをトイレに流したり、トイレットペーパーを大量に使用すると排水管が詰まる原因となるのでやめましょう。

配管と排管の違い

ここまで、配管と排管(排水管)の特徴を整理してきました。

両者の一番の違いは、建物に何かを供給するのが配管で、建物の中で使用された水などを下水として排出するのが排水管だということです。

 

水に関して言えば、飲用や生活用水などとして使う上水道が出口であり建物へ取り入れるのが配管(給水管)であり、使用済みの水を下水管に流すのが排管(排水管)ということになります。

まとめ

今回は配管と排管の違いについてまとめました。

発音が同じであるため混同されがちですが、両者の間には大きな違いがあります。

取り入れるための配管と排出するための排管という違いです。

 

ただ、役割は異なりますが建物にとって重要な管である点は同じです。

そして、両者とも普段のメンテナンスが必要だという点も共通しています。

配管であれ、排管であれ、トラブルが発生すると生活が困難になる一大事に発展します。

どちらの管も住宅所有者が管理しなければならないものですので、定期的なメンテナンスを入れて適切に管理しましょう。

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