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空調工事の仕事とは?仕事の内容や流れを解説

2024.05.15

空調設備工事は、人間生活を支える重要な仕事です。
空調設備工事は、どのような内容で、どのような工事を行うのでしょうか。

 

また、空調設備の工事をするためにはどのような資格が必要なのでしょうか。

そこで、この記事では空調設備の具体的な仕事内容や仕事の流れなどについて解説します。
建築業に従事する方はぜひご参考にしてください。

空調工事の仕事とは?仕事の内容や流れを解説

空調設備とは

空気調和設備を省略した言葉が「空調設備」です。
空調設備と言うと、エアコンなどの冷暖房設備がまずは頭に浮かびますが、湿度調節、換気、空気清浄、気流の調整を行う設備も空調設備です。

空調工事とは

空調設備の新規取り付け、点検・保守、メンテナンス、古くなった設備の更改、配管工事などを総じて「空調工事」と言います。

 

空調工事の役割は、建築基準法の規定にのっとった適正な設計を行い、人々が快適に暮らしたり効率良く仕事をしたりするうえで必要不可欠な環境を提供する工事です。

 

空調工事がなければ、建物の中にいると夏は暑く、冬は寒く、また換気がなければ人体に悪い影響を与えるでしょう。

配管1つを取ってみても、ガスを流すのか、水を流すのか、空気を流すのかによって使用する種類は違ってきます。

 

建物の気密性が高い場合は、室内の換気も必要です。
工事の際は、空気やガス、水などが配管の接続部から漏れないように注意することも必要です。

空調設備業者の仕事内容

空調設備業者の仕事は工事からデスクワークと多岐に渡ります。
主な仕事内容をご説明しましょう。

 

1.空調設備の設置工事
新築の際の空調設備の設置や、古くなった空調設備の交換の際は工事が必要です。
室内機と室外機、およびそれらを接続する配管などの工事を行いますが、壁に穴を開ける場合もあります。
設計を慎重にしておかないと、一度設置した空調設備は簡単に配置を変えることができません。

 

2.空調設備のメンテナンス
どのような建物にも空調設備は必要不可欠です。
突然故障すれば生活や業務に支障をきたしてしまうので、定期的なメンテナンスは怠らないようにします。

 

メンテナンスで不具合やトラブルが発生した場合、原因を調査して修理を行います。
緊急対応が求められるケースが多いので、スピーディーな対応が必要です。

 

3.スケジュールや予算の管理
デスクワークも重要です。
新築の建物の場合は、建物が完成してから空調工事を行うので、他の工事が遅れている場合は限られた期間の中で空調工事を完成させなければなりません。

 

そのためにも、スケジュール管理は大切な仕事になります。

予算も限りがあるため、予算の範囲内で最適な設備が提供できるよう、依頼者とよく相談しながら進めることも重要ですしょう。

空調工事の流れ

建築業がたずさわる空調工事の場合、ビルや店舗、大型施設、一戸建て丸ごとの工事が一般的です。
空調工事の流れを見ていきましょう。

 

1.現地調査~見積
建築基準法上の基準などを踏まえたうえで、建物の構造や配管の状態、部屋の環境などに応じた設計が重要です。
そのため、搬出搬入経路なども含めて事前の現地調査をしっかり行う必要があるでしょう。
現地調査の結果を反映して設計を行い、見積書を作成します。

 

2.養生・既存機器の搬入・搬出
空調設備を搬出したり搬入したりする通路や作業場が汚れたり傷ついたりしないよう養生をします。
養生の範囲は、空調機器や部品の大きさなどから決めましょう。

 

3.ダクト配管工事
各部屋へのダクトの施工や冷媒配管や機器内部から出る結露水のドレン配管を取り付けます。
この時、勾配に注意が必要です。
また、電源配線工事や空調機器を設置するための架台などを設置します。

 

4.設置~試運転
エアコンと換気ユニットなどを設置したら、ダクトと接続をし、試運転を行います。
チェックポイントは、正常に稼働をするか、異音や初期不良がないかといった点です。

空調設備の設置後も、保守やメンテナンスを定期的に行い、常に安全かつ正常に使えるよう管理しましょう。

空調工事に必要な資格

空調工事を行うには必要な資格を取得しなければなりません。
必要な資格をご紹介します。

 

1.電気工事士
エアコンや換気扇など電気設備の工事は、空調工事を実施する際にはさけられません。
そのため、第一種と第二種の電気工事士の資格が必要になります。

 

ビルの空調工事など規模が大きな施設での空調設備工事を行う場合は、第一種の資格が必要です。
一戸建ての住宅で家庭用エアコンなどを設置する場合は、第二種でも問題ありません。

受験資格は特にありませんが、第一種電気工事士の場合は、試験に合格後、最低3年以上の実務経験が必要です。

 

2.配管工事施工管理技士
国家資格であり、配管工事に関する専門知識や関連法規に関する知識、実務上の経験などを持つことを証明する資格です。

1級と2級とがあり、1級の方は監理技術者になることができ、2級の方は専任技術者と主任技術者に限定されます。

まとめ

 

「空調設備」とは、温度・湿度の調節、換気・排気、気流の調整などができる設備のことです。
また、「空調工事」とは、電気工事や配管工事なども含んで、空調設備の新設や更改、保守点検やメンテナンスなどを行う工事のことを言います。

空調工事によって、建物内の温度や湿度、換気などをコントロールすることで、人々は快適に暮らしたり仕事をしたりすることができます。

 

効果的な空調設備を設置するためには、まずは現地調査を行い、適正な設計を行ったうえで工事を行い、完成後は定期的にメンテナンスを怠らないことが大切です。

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