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フート弁とは何?逆止弁との違いと、故障時の症状について解説

2024.01.15

工業プロセスや消防設備において、ポンプや消火ポンプの適切な動作を保つためには、さまざまな弁が必要です。
その中でも、フート弁は特に重要な役割を果たします。

 

本記事では、フート弁について詳しく解説し、逆止弁との違い、さらには故障時の症状についても説明します。
フート弁とは一体何なのか、その役割や種類について掘り下げてみましょう。

フート弁とは何?逆止弁との違いと、故障時の症状について解説

フート弁とは

フート弁とは、主にポンプや消火ポンプの吸込管端に設置される弁の一種です。
その主な役割は、ポンプが停止しても配管内の水が逆流せず、落ちないようにすることです。

 

これによって、ポンプの再起動時に水の供給を確保し、効率的な運転をサポートします。
フート弁は、特に地下水源から水を供給する場合に重要であり、逆流を防ぐことが必要です。

フート弁とはポンプの逆流装置

フート弁は、ポンプの逆流を防ぐための装置として設計されています。
一般的なフート弁は、筒状の本体の内側に弁体が取り付けられており、ヒンジやスライド機構によって制御されています。

ポンプが稼働すると、吸い上げられる水の圧力に押されて弁体が開き、水の供給が行われます。

 

ポンプが停止すると、逆流しようとする水の圧力で自動的に弁体が閉じ、逆流を防ぎます。
これによって、ポンプが停止しても水の供給が維持されるのです。

フート弁の種類

フート弁には、主に2つの種類が存在します。
それぞれの特徴について見てみましょう。

 

末端フート弁
このタイプのフート弁は、吸水管の先端に直接設置されます。
古典的なデザインであり、長い間使用されてきました。

 

地上設置型(地上設置式)フート弁
最新のバルブデザインで、地上に設置されます。
このタイプは、メンテナンスが容易で、安全性が高くなっています。

 

それぞれのフート弁には利点とデメリットがあります。
地上設置型フート弁のデメリットについてもう少し詳しく見てみましょう。

地上式フート弁のデメリット

地上式フート弁は、便利な点も多いですが、いくつかのデメリットも存在します。
その中でも主なデメリットを以下に示します。

 

メンテナンスの手間
地上式フート弁のメンテナンスには、通常、水中から引き上げる必要があります。
この作業は時間と費用がかかるだけでなく、危険を伴うこともあります。

 

腐食の可能性
常に水中にあるため、地上式フート弁は腐食しやすく、全体がさび付いて動かなくなる可能性があります。
これによって、落水のリスクが高まります。

 

これらのデメリットを考慮すると、地上式フート弁の代案として、急速閉鎖型のリフト式チャッキ弁が使われることがあります。
この方法により、メンテナンスや安全性の問題を軽減できます。

フート弁と逆止弁との違い

フート弁と逆止弁は、両方とも流体の逆流を防ぐための弁ですが、その動作原理や用途において異なる点があります。
以下に、両者の違いを説明します。

 

フート弁
フート弁は、主にポンプや消火ポンプの吸込管に設置され、停止時でも水の供給を維持するための逆止構造を持っています。
ポンプの再起動時に重要な役割を果たします。

 

逆止弁
逆止弁は、配管内での流体の逆流を防ぐために使用されます。
ポンプが停止しても、逆止弁は流体が逆流しないようにします。
逆止弁は、流体の逆流を防ぐために広く使用されていますが、ポンプの再起動には関与しません。

フート弁の故障

フート弁は重要な機器であり、故障が発生するとポンプの適切な動作が妨げられる可能性があります。
以下では、フート弁の故障時の主な症状とその原因について詳しく説明します。

フート弁が閉まらない

フート弁が閉まらないという問題は、ポンプの適切な動作を妨げる可能性があります。
これはどのような原因で起こるのでしょうか?

フート弁が閉まらない主な原因は、次のようなものが考えられます。

 

弁体の汚れや堆積物
弁体に汚れや堆積物が付着すると、正しく閉まらなくなることがあります。
定期的な清掃とメンテナンスが重要です。

 

弁体の損傷
弁体自体が損傷している場合、正しく閉まらないことがあります。
損傷した場合は、弁体の交換が必要です。

 

スプリングの故障
フート弁にはスプリングが内蔵されていることがあり、スプリングが故障すると弁が正しく閉まらなくなります。
スプリングの点検と交換が必要です。

 

配管の問題
フート弁の周りの配管に問題がある場合、弁が正しく閉まらないことがあります。
配管の損傷や詰まりを確認し、修理が必要な場合はすぐに対処しましょう。

落水の原因は?

フート弁が正しく動作しない場合、落水と呼ばれる現象が発生します。
落水は、水源が逆流してポンプ内に戻ることを指します。

この現象は、フート弁の故障や不適切な設置によって引き起こされることがあります。

 

フート弁が閉まらない場合、落水の原因となり、ポンプの効率的な運転を妨げる可能性があります。
したがって、フート弁の定期的な点検と保守が重要です。

フート弁について疑問があれば専門家に聞こう

フート弁はポンプや消火ポンプなど、重要な機器の一部であり、正確な動作が保たれることが非常に重要です。
この記事では、フート弁の役割、種類、故障時の症状などについて詳しく解説しました。
しかし、フート弁に関する疑問や不明点がある場合、専門家に相談することをおすすめします。

 

専門家のアドバイスを受けることで、ポンプシステムの正常な動作を確保し、トラブルを未然に防ぐことができます。

安全な工業プロセスや消防設備の維持において、フート弁の役割は決して小さくありません。

 

協立工業 株式会社では、膜構造建築の設計施工ですが幅広い建築の知識を持っています。
ぜひ相談してみてください。

 

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